Vol.
1

日本最古の道は猫がよく似合う

撮影場所:天理市中山町
大寒の朝、山の辺の道を長岳寺から北へ歩いた。暦の上では春近しというものの、寒気が肌を刺し、吐く息は白い。
この辺りは、いかにも〝日本最古の道〟にふさわしい詩情豊かな景色が続く。柿本人麻呂の亡き妻を偲んだ歌を刻む歌碑を過ぎ、天理方面を目指して進むと、白梅の咲く道の向こうから一匹の猫がやって来た。
猫は奈良時代、お寺の経典を鼠から守るために中国から輸入されたとか。そんなことを考えていたら、目の前の猫を見失った。
猫のいる場所には人々の暮らしがある。そして、この古道の魅力は、人々の営みと周囲の自然が〝一つの景〟をなしていることにある。それは古墳を借景にした畑であったり、誰かが育てた花畑であったりする。
先の人麻呂の歌碑の前に広がる畑も、その一つ。春は菜の花、秋はコスモスが咲き乱れる絶景のスポット。ぜひ一度足を運んでみては。猫に会えるかもしれない。(J)
















